最近、不動産市場が「踊り場」に差し掛かっているという話をよく聞きます。これまで順調に伸びてきた中古マンションの売買も、ここ数ヶ月で変化の兆しを見せています。この記事では、その背景にある理由や、今後どう動くべきかをわかりやすく解説します。
【市場データのポイント】
今回注目するのは「成約件数」と「成約単価」です。この2つの指標を見ることで、現在の市場の状況が見えてきます。
1. 成約件数が減少中
中古マンションの成約件数、つまり「売れた数」が減少傾向にあります。今年10月は、前年同月比-4.5%と、これで3ヶ月連続の減少です。これは、不動産市場の「勢い」が少しずつ落ち着いてきていることを示しています。
2. 成約単価は上昇を維持
一方で、1平米あたりの価格は前年比+4.7%と、上昇が続いています。つまり、「売れる数は減っているけれど、価格は上がっている」という現象が起きているのです。
【成約件数が減少している理由】
成約件数が減少している背景には、以下の3つの要因が考えられます。
1. 新築マンションが注目を集めている
特に都市部では、最近発表された大規模な新築マンションが注目を浴びています。新築マンションの抽選に申し込む人が増え、中古マンションが後回しにされているのです。
例えば、湾岸エリアでは、新築マンションの人気が非常に高く、抽選が外れるのを見越して中古を検討する人も多い状況です。しかし、抽選が終わるまでは動きが鈍くなるため、中古物件の成約件数が減っています。
2. 金利や経済の影響
住宅ローンの金利がこれから上がる可能性があり、購入をためらう人が増えています。また、日本の政治の変化やアメリカの大統領選など、経済に影響を与える出来事も多いため、買い控えのムードが漂っています。
3. 売主の価格設定が強気すぎる
売主が「まだまだ高く売れるだろう」と期待して高値を設定していることも、成約数が減少している理由の一つです。買主は慎重に物件を選び、「この価格で本当に価値があるのか?」と冷静に判断しているため、売り手の希望価格に応じないケースが増えています。
【一方で価格が上昇している理由】
成約件数が減少しているにもかかわらず、価格が上がっているのはなぜでしょうか?
1. 希少性の高い物件は依然として人気
都心部や湾岸エリアなど、希少性が高い立地の物件は依然として高値がついています。特に、「ブランド力」のあるマンションや駅近の物件は、根強い需要があり、価格を維持しています。
2. 売主の期待が高い
過去数年の価格上昇を背景に、売主は「もっと高く売れるはず」という期待を持っています。このため、値下げ交渉に応じにくくなり、結果的に高値が続いています。
3. 市場全体の価格がゆっくりと追いついている
全体の価格水準が上昇しているため、これまで低めだったエリアや物件の価格も少しずつ上がってきています。ただし、これは勢いのある上昇ではなく、ゆっくりとしたペースです。
【これからどう動くべきか?】
市場が「踊り場」にある今、売却を検討している人も、購入を考えている人も、慎重な判断が求められます。
売却を考えている人へ
- 価格設定がカギ
売却の成功には、「市場の適正価格」を把握することが重要です。不動産会社と相談し、現実的な価格を設定することで、スムーズな取引が期待できます。 - 早めの行動がポイント
在庫が増えてくると、競争が激しくなり、価格が調整される可能性があります。売却を検討しているなら、早めに行動することをおすすめします。
購入を考えている人へ
- 物件をしっかり比較
価格が上がり続けている物件もあれば、値下がりしている物件もあります。焦らず、物件ごとに条件をよく比較して選びましょう。 - タイミングを見極める
市場が踊り場にある今、少し待つことでより良い条件で購入できる可能性があります。とはいえ、良い物件は早い者勝ちです。情報収集を怠らないことが大切です。
【まとめ】今こそ冷静な判断を
中古マンション市場は、これまでの勢いが一服し、新たな動きを模索する時期に入っています。このタイミングでの判断は、今後の資産運用に大きな影響を与えます。
- 売却を考えている人は、価格設定やタイミングを慎重に。
- 購入を考えている人は、情報収集をしっかり行い、冷静に物件を見極めましょう。
不動産市場の動きは早いです。信頼できる専門家と連携し、自分にとって最適な選択をしましょう!
「今の市場についてもっと知りたい」「どう動くべきかわからない」という方は、ぜひ一度プロに相談してみてください。あなたにとってのベストな選択が見えてくるはずです!