リノベーションを考えて中古マンションを購入する方は多いですが、成功するためには知識と準備が必要です。今回は、不動産のプロとして、リノベーションに関する具体的な注意点を深掘りして解説します。
1. カタログだけで発注しない
カタログの写真だけを見て材料を選ぶと、実際の色や素材感が異なることがあります。たとえば、壁紙や床材の質感や色合いは、照明や周囲のインテリアによって大きく変わることがあります。現物サンプルを確認することは、仕上がりを期待通りにするために非常に重要です。また、ショールームを訪れて実際の施工例を見ることも有効です。
2. 収納が少ないと防災面で問題
リノベーションを行う際、収納スペースを十分に確保することが重要です。収納が少ないと、物が散乱し、地震などの際に避難経路を確保できなくなる恐れがあります。防災を考慮した収納計画を立てることで、安全性と生活の利便性を両立させることができます。具体的には、玄関や廊下に収納スペースを設け、非常時に取り出しやすい場所に防災用品を配置することが考えられます。
3. 配管工事の重要性
配管工事は見落としがちですが、非常に重要です。例えば、亜鉛メッキの配管は約20年、塩化ビニルライニングの配管は約30年の寿命があります。古いマンションでは、配管の交換を検討することが大切です。特に、水回りのリノベーションを行う際には、配管の状態を確認し、必要なら交換することで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
4. 旧耐震マンションの問題点
旧耐震基準のマンションは、共用部分の耐震性能を改善することができません。また、耐震診断を受けていない物件も多いです。購入前に耐震性を確認し、必要なら耐震診断を依頼しましょう。具体的には、建物の構造図面を確認し、専門家に依頼して耐震性の評価を受けることが必要です。これにより、地震に対する安心感を得ることができます。
5. マンション本体の妥協に注意
リノベーションを前提にマンション本体を選ぶと、期待した価値アップには繋がらないことがあります。リノベーション費用が高額になってしまう可能性もあるため、マンション自体の状態にも注意が必要です。例えば、共用部分の管理状態や修繕積立金の状況を確認することで、将来的なリスクを減らすことができます。
6. 多くの人が共感できる間取り・設備
リノベーションの間取りや設備は、自分の価値観だけで決めるのではなく、多くの人が共感できるものにしましょう。将来的に売却を考える際にも、有利になります。具体的には、人気のある間取りや設備をリサーチし、家族構成やライフスタイルに応じたプランを考えることが重要です。
7. 物件を探してから業者を探さない
物件を探す前に、信頼できるリノベーション業者を見つけておくことが重要です。可能であれば、内見時に業者を同行させ、物件の状態を確認してもらいましょう。これにより、リノベーションの可否や費用感を事前に把握することができます。また、業者と綿密に打ち合わせを行い、具体的なリノベーションプランを立てることが重要です。
8. 提携業者に注意
物件の販売業者が提携しているリノベーション業者は、割高になることがあります。複数の業者から見積もりを取り、価格と内容を比較しましょう。透明性のある見積もりを得るためには、具体的な工事内容を細かく確認し、不明点を業者に問いただすことが重要です。
9. リノベ済み物件の注意点
リノベ済みの物件を購入する際、不具合が起こる可能性があります。修繕工事の履歴を確認し、不明な点は業者に問い合わせましょう。また、相場と修繕内容を比較し、割高でないか確認が必要です。具体的には、過去の修繕履歴やリノベーションの詳細を確認し、第三者の専門家に評価を依頼することが考えられます。
★リフォーム費用の相場(60〜70㎡)
- 表層リフォーム(クロス、CF): 50〜80万円
- 中間リフォーム(フローリング): 200〜400万円
- フルリフォーム(水回りを含めた変更): 500〜700万円
- リノベ(床下配管工事含む): 700万〜1000万円
リノベーションは夢の住まいを実現するための素晴らしい方法ですが、しっかりとした計画と注意が必要です。この記事を参考に、失敗しないリノベーションを目指しましょう。