今回は「中古マンションの購入を考えているけれど、今が買い時なのか、それとも値下がりを待った方がいいのか?」と悩んでいる方に向けて、決断のポイントを詳しく解説します。
最近は「不動産価格が高騰しているから、もう少し待った方がいいかも」と考える人も増えています。しかし、本当に「待つこと」が得策なのでしょうか?この記事では「今すぐ買うメリット」「待つリスク」そして「シミュレーションによる比較」から、その答えを見つけるお手伝いをします。
1. 不動産価格は下がるのか?「待つリスク」について
「マンション価格がもう少し下がったら買いたい…」と思うのはごく自然な考えですが、将来の価格を正確に予測するのは非常に難しいです。不動産価格が大幅に下がるケースは、リーマンショックや震災のような大きな経済ショックがあった時に限られる傾向にあります。
たとえば、2008年のリーマンショックでは価格が10%近く下がったと言われていますが、これは極めて稀なケースです。一般的な経済状況では、年5%以上の下落が起きることは少なく、価格が劇的に下がることを期待して待つことが得策とは言えません。
待つリスクの具体例
- 金利上昇のリスク:住宅ローンの金利は現在低水準ですが、数年後に上昇する可能性があります。待っている間に金利が上がれば、たとえ物件価格が下がっても、月々の支払額が増える可能性があります。
- 健康状態のリスク:住宅ローンを組むには健康状態が重要です。待っている間に健康リスクが生じると、ローン審査に通りづらくなる可能性もあります。
- 家賃支出が続く:賃貸で住んでいる場合、待っている間も家賃の支払いが続きます。家賃支出は資産に残らず、「払い続けるだけで無くなってしまうお金」です。
2. 今買うことのメリット:長期的な資産形成に有利なポイント
中古マンションを「今買う」ことで得られるメリットは数多くあります。長期的に見た場合、早めに購入することが経済的にプラスになるケースも多いです。以下の3つのポイントに注目してください。
メリット1:家賃を支払い続けるより、資産が手元に残る
賃貸は毎月の家賃が消費として消えていきますが、持ち家はローン返済が終わると住居費の負担が大幅に軽減します。さらに、自宅という資産が残るため、将来売却することでまとまった資金を得られる可能性もあります。
メリット2:住居費の固定化ができる
住宅ローンは一度組むと長期的に返済額が固定されるため、将来的な住居費が安定します。一方、賃貸は年々家賃が上がるリスクがあり、長期的な住居費の負担が増えていく可能性があります。特にローン完済後は住居費がゼロに近くなるため、老後の生活費負担も軽くなります。
メリット3:住宅ローンには保証がつく
住宅ローンには団体信用生命保険(団信)や特約保険が付いていることが一般的です。団信に加入していれば、ローン契約者が万が一の際、残りのローン支払いがカバーされるため、家族に住まいを残すことができます。健康な今のうちにローンを組むことで、将来のリスクに備えることができます。
3. シミュレーションで比較:待つ vs. 買う、3年間でどれだけ変わるのか?
具体的にシミュレーションをして、「待つ」場合と「今買う」場合でどれだけ差が出るのかを見てみましょう。
シミュレーション例:3年間待った場合のコスト
- 家賃支出:たとえば毎月16万円の家賃を支払っている場合、3年間待つと合計576万円を賃貸に支出することになります。
- 物件価格の下落を待つ効果:3年で物件価格が5%以上下がらなければ、家賃支出の分だけ損をすることになります。しかし、通常の経済状況では大幅な値下がりは期待しづらく、待つことが有利になるケースは稀です。
ポイント:待っている間に「家賃支出」「金利上昇リスク」「健康リスク」が発生する可能性があるため、待つことで得られるメリットよりも、デメリットが上回ることが多いです。
4. 購入を検討する際の注意点:将来のライフステージを見据えた計画が重要
家を買う際には、過去の価格にこだわるのではなく、未来のライフスタイルや資産状況に合わせた計画が重要です。次のポイントを踏まえて判断してみましょう。
自分の支払い能力と将来のライフステージに合った物件を選ぶ
無理なく返済できる範囲で計画を立て、家族構成やライフステージの変化(結婚や子育て、老後の生活など)にも対応できる物件を選びましょう。たとえば、都心部の中古マンションは資産価値が下がりにくく、リセールもしやすいです。
利息の動向や健康状態も含めた判断
「待つことでのリスク」「今買うメリット」を見極め、住宅ローン金利や健康状態も考慮しつつ、自分にとって最適なタイミングを見つけることが大切です。
資産価値の残るエリアかどうかもチェック
不動産の価値は立地に大きく左右されます。資産価値が安定しているエリアや、今後も人口流入が見込めるエリアを選ぶと、将来売却時に資産価値を確保しやすいでしょう。
5. まとめ:中古マンションは「今買う」選択肢が最も賢い理由
中古マンションの購入は一生に一度の大きな買い物です。「待つリスク」や「今買うメリット」を総合的に考えると、長期的に見れば「早めに購入する」ことで得られるメリットが多くなります。
家賃を払い続けることによる損失や、今後の金利上昇リスクを避けるためにも、自分にとって最適なタイミングで決断することが大切です。